SPECIAL

IDOL舞SHOWキャラインタビュー「三日月眼」

三日月眼・金剛寺ゆい

アイドル戦国時代に名乗りを挙げ、天下取りを目指すアイドルたち。その中でひと際輝きを放っているのが伊達宗人プロデュースによる正統派三人組アイドルの三日月眼(ルナティックアイズ)だ。グループ結成のいきさつ、天下取りに対する彼女たちの想いと覚悟を聞いた。

金剛寺ゆい(以下金剛寺): クッキー作ってきたんでどうぞ!

ーーあ、ありがとうございます。お菓子作りが趣味でしたね?

金剛寺: 現場にもしょっちゅう作っていきます!メンバーはいつもマズイっていうんですけど、まあ愛ゆえのイジリですかねー。

「ゆい坊は弾かれたパターン」

ーー金剛寺さんは元々大手事務所に所属されてたんですよね?

金剛寺: はい!所属っていうか、はい。スカウトされて、子役として。

ーーその時はどういう活動を?

金剛寺: ひたすらオーディション受けまくってました!ドラマとかCMの。それで学習教材のCMでメインの子の後ろの方にチラッといたりするような感じで。それも30回くらいのうちひとつ受かるかどうかみたいな。

ーー事務所にはそういう子たちが沢山いた?

金剛寺: 沢山いました。正確に何人とかはわからないですけど、多分小学生以下の子達で100人以上とか。

ーーそんなに?

金剛寺: 大手事務所っていわゆる青田買いをする訳ですよ!ちょっと良さげな子は幼いうちから囲い込むというか、他に取られないようにして。それで上手いこと売れたらラッキーだし、ダメなら子役としての賞味期限切れで契約更新なしっていう。

ーーき、厳しいですね。

金剛寺: 子役のうちは子供らしさとか可愛らしさが大切なんですけど、中学生以上になると俳優としての演技力や個性が求められて、もうジャンルが違ってくるんですよね。なのでそれまでに何らかの結果を出してないと事務所に居続けるのは難しいんです。ゆい坊はそれで弾かれちゃったパターンで(笑)。

ーーでも、芸能活動を続けたい気持ちがあったんですよね?

金剛寺: はい。子役の時にそれほど沢山の現場を体験したわけではなかったんですけど、それでもやっぱりお仕事は楽しかったし、学校では得られない刺激がありましたから。だからなんとか新しい道を探さないといけないなと思って。

ーーアイドルという選択肢はその時すでにあったんですか?

金剛寺: まだ考えてませんでした。どっちかというと女優さんとして映画やドラマに出たいなと思ってて。

「アイドルなんてできると思ってなかった」

ーーそれからまたオーディションの日々が始まったと。

金剛寺: まず事務所に所属するためのいろんなオーディションとか、何かのイメージガールとか、応募しまくりました。そして落ちまくって(笑)。まあ落ちるのは慣れっこだったんですけど、さすがに50回以上落ちてくると徐々に心が折れかかってきて(笑)。なんでダメなのかなーとか色々考えるわけですよ。で、ひとつ思ったのはゆい坊って歳より幼く見えるのかなって。だからオーディションで年齢が合ってると思って受けてみても、実際のゆい坊と審査側の思う15歳のイメージが違っちゃったりするのかなーと。

ーー15歳くらいって、大人っぽいコと幼く見えるコの差が激しいですからね。

金剛寺: そうなんですよ!だから今すぐ女優っていうのはなかなか難しいのかもって思って、何ならいいのかなーと考えた時に、そうだ!アイドルならこのままのゆい坊でも受け入れてもらえるかも知れない!って思って。

ーーそれまでアイドルには興味があった?

金剛寺: 興味があるっていうか、軽くアイドルオタクだったんで。でもそれだけにアイドルをやってみたいなんて思いもしなくて。だって歌やダンス覚えてステージで歌うって大変じゃないですか?大変ですよ!ゆい坊にはとてもそんなことできると思ってなかったんですよね。

ーーでもチャレンジしてみようと?

金剛寺: アイドルのライブは沢山見てきて、やっぱりファンの方々が同じ空間でウワーッ!て盛り上がってるの見ると、こんなこと出来るのすごいなーって思って。お祭りみたいじゃないですか!ゆい坊お祭り大好きなんで、お祭りのためなら歌とかダンスとか大変でもやってみようか!みたいな。

ーーそれまで歌やダンスの経験は?

金剛寺: 最初にいた事務所で子供向けのレッスンみたいなのはあったんですよ。そこで少しはやってましたけど、あくまで子供向けで。

ーーアイドル活動を前提としたものではなかった?

金剛寺: そうですね。でもアイドル目指すようになってから他のアイドルさんの動画見ながら自己流でダンス始めてみたんですけど、それが意外に楽しくて、すんなり入れたというか、それは子役時代のレッスンのおかげかも知れないですね。

ーー幼い頃からの蓄積があったということですね。

金剛寺: 蓄積!いい言葉使いますね!そうです、蓄積があったのです!そういうことにしといてください(笑)!

開き直れたオーディション

ーー三日月眼のオーディションは相当の覚悟で挑んだんじゃないですか?

金剛寺: ぶっちゃけ、これでダメならもう辞めようと思ってたんですよ。他にいくつかアイドル事務所のオーディション受けてましたけど、ずっと全部ダメで。求められてないなら向いてないってことなのかなーって。三日月眼のオーディションも最初は三日月眼としての3人ってことじゃなくて、ソロアイドルの募集だったんですね。だからちょっとハードル高いなあと諦め半分で受けたところはあったんです。でもせっかく最後なら全力出さなきゃなと思って。

ーー結果、最終選考に残った3人で三日月眼になったわけですね。

金剛寺: はい。みれちは前から知ってて実力わかってたし、あやふぅも現場で見たときすごく可愛くてキャラが立ってたので、こりゃかなわないなと思ったんですけど、開き直ったのが良かったみたいで。それまでは「受かりたい!受からなきゃ!」って思ってたのが、あのオーディションでは「もうどうにでもなれ!」って感じで自己解放?できたのかな。それで3人とも合格って言われた時は「やったー!」っていうより、「え、いいの?この2人と一緒のグループにしてもらっていいの?」って感じでした。

ーー実際に3人で活動を始めてみてどうでした?

金剛寺: ステージ上では他の2人から教わることも多くてまだまだ勉強中なんですけど、プライベートでは2人とも良い意味で結構マイペースなんで、ゆい坊がツッコミ役になってます !

ーー意外ですね。でもこうしてお話ししてると、すごくしっかりしてる印象です。

金剛寺: でしょー?結構しっかり者なんですよゆい坊は。アホの子じゃないんですよ!アメリカの首都はニューヨークなんですよ!

ーーワシントンじゃ?

金剛寺: あ、そうか。あれ?ワシントンじゃなくてニューヨーク?じゃなくて、ニューヨークじゃなくてワシントンか!

ーーアホじゃないアピールが裏目に(笑)

金剛寺: 違う違う!たまたまうっかり間違えただけなんで!アホの子じゃないんで本当に!

アイドルモンスターに囲まれて

ーー天下旗争奪戦に名乗りを上げているわけですが、天下取りへの覚悟は?

金剛寺: うーん、正直ゆい坊自身は天下取りどころじゃないというか、メンバーの中ではアイドル歴が一番浅くって、他の2人に置いてかれないようにするのに今は精一杯なんですよ!三日月眼って3人なのにそのうち2人があやふぅとみれちっていうアイドルモンスターですよ?ほんとこれヤバイんで。まあある意味すごくスパルタなんですけどすごくありがたい状況でもあって、とにかく無我夢中で2人に食らいついていって、その先でいつか天下旗が見えてきたら良いのかなって思ってます!

三日月眼・若月美玲

分かち合えた方が絶対幸せ

ーー若月さんは元々ソロで活躍なさってましたが、3人組での活動となって変わったことは?

若月美玲(以下若月) そうですねえ…。グループだからってソロに比べて自分の責任が小さくなるってことはなくて、むしろ他のメンバーに対する責任感は大きくなりますね。ソロでももちろん色んなスタッフさんに支えていただいて、責任は大きいんですけど、グループだとそれがステージ上で目に見えるわけじゃないですか。ソロの時のミスはあくまで私個人のミスですけど、今はそれが三日月眼のミスになってしまう。やっぱりチームプレーですから、違う緊張感はあります。

ーーソロの時より緊張する?

若月: うーん、比べる感じじゃなくて、種類が違うというか。でも緊張感よりは楽しさや頼もしさの方がはるかに大きいですよ。ひとりでマラソン走るのと駅伝でタスキを渡すことの違いっていうか、まあマラソンも駅伝も走ったことないですけど(笑)。やっぱりライブが盛り上がってファンの方々が喜んでくださったらそれがこちらにも伝わるじゃないですか。その喜びって一人よりメンバーで分かち合えた方が絶対幸せなんですよ。やっぱり一緒にステージを務めた人間にしかわからない喜びってありますから。

ーーソロの時は怪我で活動中止を余儀なくされましたが。

若月: はい、今考えると 当時はちょっと思いつめ過ぎていたのかなと感じます。心の焦りが先行しちゃって自分の体力や体調について無頓着過ぎた面もあるし。それで結局事務所やファンの方々にご迷惑をかけることになってしまったので、これからはもう少し自分の体と良く相談しながらレッスンして行きたいですね。

伊達Pの第一印象は「フランク」

ーーすでに活動実績のあった立場でオーディションを受けることに抵抗はなかった?

若月: それは全くありませんでした。ソロでやっていた頃でもCMや映画のオーディションは受けてましたし。活動休止してから前の事務所が解散して無所属の形になってしまっていたんですけど、私としてはこのままフェードアウトは絶対嫌だと思ってて。でもアイドルって楽曲を作っていただいたりプロモーションしていただいたり、ひとりではできないことが沢山ありますよね?それでどうしたら活動を再開できるのか考えてる時に伊達さんのオーディションの話を知って。絶対受けたいと思ったんですけど、むしろこれまで活動していた分アイドルとしての色がついてしまっているのがどう捉えられちゃうのかなって、そっちの方が心配といえば心配でした。

ーーオーディションでは実力がダントツだったと金剛寺さんが。

若月: ウソだあ(笑)。優秀な子はいっぱいいましたよ。私は足首の手術をしてからそんなに経ってなくて、ベストコンディションではなかったんです。筋力も戻ってないし、まだちょっと怖くて6割くらいで。オーディションで全力を出せないっていうのは不本意だし申し訳なかったんですけど、そこでまた無理をしてしまうと元も子もないので、気持ちを抑えて安全運転を心がけました。そのことは伊達Pも理解してくれて、伸び代はあると思ってくださったんじゃないかな。

ーー足はもう大丈夫ですか?ステージで見る限り全然問題なさそうですけど。

若月:  今はもう!120%でやってます。

ーーオーディションでの伊達プロデューサーの印象は?

若月: えーと、これ言っていいのかな。伊達Pだからいいか。「チャラいなー」って(笑)。よく言えばフランクというか。あ、そうかフランクって言えばいいのか。「フランクだなー」って(笑)。一見チャラいんですけど、いい加減ってことではなくて、すごく人生を楽しんでる人というか、三日月眼の曲にもそれが出てますよね。

ーーでもソロのはずのオーディションがノリで三人組になった(笑)。

若月: あー、そうですね。やっぱいい加減なのかも!いやいや全然、結果オーライです。私がソロ時代より楽しみながら頑張ろうと思えてるのも実は伊達さんの影響がある気がします。

あやふぅは「芯の見えない綿菓子」

ーー楽屋で三人でいる時はどんな感じ?

若月: ずっと笑ってますね。あやふぅもゆい坊もめちゃくちゃ面白くて全然飽きないんです。本人たちは全然笑わそうとはしてないんですけど、天然すぎるというか、ステージでは頼もしいのに、本人たちの将来に関してはちょっと心配になるくらい(笑)。ゆい坊は地理が全然ダメで、イタリアの首都を聞いたら「パリ!」っていうから、じゃあフランスの首都はって聞いたら「ロンドン?」って。ゆい坊の頭の中では地図が大変なことになってます。あやふぅはそういうの普通に知ってるはずなのに、ゆい坊の答えを聞いて「え?首都変わったの?」って。

ーーそれは話に乗っかってるわけじゃなく?

若月: 本気ですよ。本気で「変わったの?」って。「そんな簡単に変わらないよ」って私が突っ込んで(笑)。あやふぅってそう言うフワフワした感じですけどちゃんと芯があるんですよ。でもフワフワし過ぎてその芯が見えないっていう。なので私の中では綿菓子のイメージです。

ーー確かに芯が見えない(笑)

若月:  でも芯はブレてなくてベクトルがハッキリしてるんです。すごく頑張り屋だし。たまに不思議な発言もしますけど(笑)。

ーー例えば?

若月: あやふぅってムーミンが好きで、特にニョロニョロのグッズを集めてるんですけど、それに全部名前を付けてるんですよ。

ーーえ?ニョロニョロに?

若月: はい、ニョロニョロなのに、それぞれニョロ之介とかニョロエルとか個人名があって。私とゆい坊は「ニョロニョロはニョロニョロでしょ!」って言ってるんですけど、あやふぅ的には全部違うコみたいで。一度全員紹介してくれたけど、私の中ではいまだに全部ニョロニョロです(笑)。

グループとして成長できてる

ーーステージパフォーマンスに関してはデビュー直後は若月さんが引っ張ってる印象でしたが、最近では三日月眼全体としてのクオリティがますます上がってきているように感じます。

若月: ありがとうございます!デビューした時は単純に私が一番芸歴が長かったので、ダンスの振り入れが早かったりということはありました。それでなんとなく私がダンスリーダーみたいな感じで。あやふぅとゆい坊は最初はライブの経験がなかったので、ステージからどう客席に目線を送るかとか、踊りながらどう表情を作っていくかとか、そういった細かいところはアドバイスしながらやってましたけど、最近はもう何も言わなくても良くなりました。

ーーそうなると若月さんも自分のことに集中できますもんね。

若月: そうですね。私は集中できるし、あやふぅとゆい坊は全体を見る余裕ができて、それでグループとして成長できてるんじゃないかと思います。ゆい坊とか復習の鬼なんで、ダンスの先生から振り入れされた時点ではまだ追いついてなくても次の日には完璧にしてくるんですよ。

ーー努力家!

若月: でも本人は絶対認めないんです。「仕上げてきたんだ?すごいね」って言うと「振り入れの時にもうできてたし!」って。自宅練習したことをなぜか頑なに認めない(笑)。

物語を持った存在に ドラマ

ーー三日月眼は天下旗争奪戦に名乗りを上げているわけですが、具体的な戦略は?

若月: 戦略ですか?うーん、それはきっと伊達Pが考えてると思うんですけど、もしかしたら考えてないかもしれませんね(笑)。でも私はソロで一回挫折を味わってますから、三日月眼として活動を再開できた以上、その挫折を糧にしてアイドルとしての頂点を目指そうと思ってます。その目標は3人でステージに立つようになったことでより現実的になりました。今後も三日月眼はスキル面でどんどん成長していくと思うんですが、アイドルの魅力ってそれだけじゃないですからね。歌とダンスはもちろん磨いていくとして、その他の部分でも魅力を感じていただかないといけないと思ってます。

ーー他の部分というと例えば?

若月: 活動が広がってゆけばトーク力やバラエティ適性も求められて、それって楽屋での内輪ノリの面白さとはまた種類が違ったりするじゃないですか。内輪ノリってファンの方々は喜んでくださるかも知れないけど、これからファンになってくださるかも知れない方々からするとちょっと足を踏み入れづらいかも知れないし。そういう部分での方向性は3人ともまだ未知の世界なんで、より沢山の方々に三日月眼を好きになっていただけるよう、沢山勉強していかなきゃならないなと思ってます。あとはドラマ、ですかね。

ーードラマ?

若月: アイドルの世界では歌やダンスができる子たちが沢山いますし、可愛い子も沢山います。それぞれにドラマがあると思うんですけど、個人個人のドラマを取り上げてもらうのは難しいと思うんです。必死に頑張ってるのはみんな同じだから。その中で、より多くの人たちに共感してもらえるドラマというか、物語を持った存在になれたら頭ひとつ抜けられるんじゃないかと思ってて。わかりやすく言えばチャートの一位を取るとか、一年以内にどこか大きい会場でのライブを成功させるぞ!とか、ファンの方々と一緒に達成していくような目標を掲げてみたらいいのかなと。もちろん私ひとりで決められることじゃないですけど、伊達Pやメンバーたち、ファンの方々と是非大きなドラマを作り上げてみたいですね。

三日月眼・綾瀬双葉

ーー綾瀬さんはそもそもネットでの動画配信の形で活動されてましたね。

綾瀬双葉(以下綾瀬) はい。三日月眼としてデビューしてからはあまり時間が取れなくなっちゃってますけど、自分のチャンネルは今も細々と続けてます。

ーー細々と言っても登録者数40万人以上ですよ!

綾瀬: デビューしてから増えたんです。その前は30万人くらいでした。

ーーネットだけでも十分すぎるくらいの活躍だったと思うんですが、リアルステージに立つアイドルを目指した理由は?

綾瀬: ネット配信と言っても、私は機械に詳しくないから他の人みたいに凝った編集とかできないですし、あれこれ企画を考えられるタイプでもないんです。だからちょっとトークしたり踊ったりした動画をアップする程度で、それ以上のことを自分ひとりでネットでやるのは難しいなあと思ってて。そもそも私はお兄ちゃんが欲しくて、色んな人にお兄ちゃんになって欲しいなと思って配信を始めたので、さらに沢山のお兄ちゃんと出会うにはやっぱりステージに立つのがいいのかなって。ネットでコメントをいただくのも嬉しいんですけど、ステージで直接声援を受けたらきっとすごく楽しいだろうなと思ったのがきっかけです。

怖いもの知らずだったオーディション

ーーオーディションを受けたのは初めてだったそうですね。

綾瀬: はい。だから歌もダンスもちゃんとしたレッスンを受けたことがなくて、全部自己流というか、いろんなアイドルさんや踊り手さんの動画を参考にしてやってたんです。そんなんでオーディションの現場に行ったら歌もダンスも上手な子がいっぱいいて、すごいなあと思いました。特にみれちは目立ってて、「わあこれこそ本物のアイドルだ!」って。でもアイドルのオーディションって、その時の完成度じゃなくてどれだけ可能性を感じてもらえるかってことが重要だと思っていたので、周りのレベルが高いから自信をなくしたってことはありませんでした。今から考えると無知で怖いもの知らずだっただけなんですけど(笑)。我ながら良く受かったなと思います。

ーーデビューを報告した時のそれまでのファンの方々の反応は?

綾瀬: みなさんびっくりしてました。遠くに行っちゃうみたいで寂しいって声もありましたけど、それまでオフ会やイベントを開くような事もしてなかったのでほとんどの方々は「本物のあやふぅをステージで見られる!」ってすごく喜んで応援してくれました。

三日月眼は「三人がセンター」

ーー動画配信とステージの違いはどうですか?

綾瀬: 全然違いますね!動画なら何度でも撮り直しができるし一回できたらOKですけど、ステージは一発勝負だから沢山レッスンして体に叩き込まないといけないですし、ステージのたびに何十回でも何百回でも同じパフォーマンスをすることになります。歌もダンスも大好きなのでそれはすごく楽しいですよ。あとやっぱりお兄ちゃんたちのレスポンスがダイレクトに感じられるので、すごくテンションが上がります!動画を撮ってる時にはもちろんなんの声援もないんですけど、ライブの時はビックリするくらい大きな声でウォー!って。デビュー直後の頃はライブの雰囲気に圧倒されてよくミスってました(笑)。

ーー三人組というのも、それまでの活動とは違いますよね。

綾瀬: そうなんです!たぶん私ひとりだったら全然ダメでしたね。ここまでやれてないと思います。みれちは元々アイドルだったから彼女に頼ってるところも沢山あるし、ゆい坊もすごく頑張り屋なのでそれに引っ張ってもらってる感じです。

ーー三日月眼では不動のセンターと言われてますが。

綾瀬: 自分ではセンターっていうことに対しての意識や気負いはあまりないんですよ。三人だから並べば必ず誰かがセンターになるし。ダンスの途中でフォーメーションが変わればみれちやゆい坊がセンターになる事もあって、その時々でのバランスの魅力があると思うんです。だから三日月眼は三人がみんなセンターだと思ってて、私がセンターというのはあくまで仮の基本形というか、ここからいろいろバリエーションがありますよっていうことで。もちろん真ん中にいる責任は感じますけど、それをあまりプレッシャーには感じないようにしてますね。

「お姉ちゃん」たちは気づいてくれる

ーー綾瀬さんと言えば「妹学」の探究者として知られていますが、研究は進んでますか?

綾瀬: はい!ずっと研究ノートをつけてるんですけど、デビューしてからノートの進むスピードが倍以上になりました。やっぱりライブでお兄ちゃんたちと出会う機会が増えた分、気づいて書き留める事も沢山あって。

ーーちょっと見せてもらったりできます?

綾瀬: ダメです(笑)。メンバーにも見せてないんですよ!あ、でも、お兄ちゃんだけじゃなくお姉ちゃんたちも増えてきてくださって、そのことについて書くことができるようになったのは嬉しい誤算でした。

ーーそうですね。妹と言うからにはお兄ちゃんだけじゃなくお姉ちゃんだっています。

綾瀬: お姉ちゃんって、やっぱりお洋服とかヘアスタイルとかメイクとか、お兄ちゃんとはまた違う目線で見てくれるじゃないですか。髪型をちょっと変えたりネイルやチークを新しい色にしたら気づいてくれるし。私のメイクや髪型を真似しようとしてもお兄ちゃんだとちょっとおかしなことになっちゃうけど、お姉ちゃんたちが取り入れたりしてくれてるのを見るとすごく嬉しくなっちゃいます!

ーーお姉ちゃん、いわゆる女性ファンだとメンバーとお揃いのグッズも使いやすいですもんね。

綾瀬: そうなんです!コンパクトミラーとかポーチとか、私もグッズのやつ使ってるんですよ。超可愛いんです!

メンバーとはプライベートでもずっと一緒

ーーデビューして生活面で変わったことはありますか?

綾瀬: えーと、なんだろう。やっぱりいろんなところに行かせてもらえるようになったことかなあ。デビューしてなかったら一生行かなかったかも知れない場所に行けるのってすごく楽しいです。あと三日月眼の三人はプライベートでも良く一緒に遊ぶんです。私って結構ひとりでいるのが平気なタイプだったので以前はそんなに友達と出かける事ってなかったんですけど、今はメンバーとは仕事以外でもずっと一緒にいる感じで。

ーーそんなに一緒でケンカになる事はない?

綾瀬: ケンカですか?うーん、ないですねえ。たまにゆい坊がひとりで怒ってることがありますけど、それはケンカじゃないしなあ。

ーーなんで怒ってるんですか?

綾瀬: ゆい坊は良く手作りのお菓子を持ってきてくれるんですけど、それがちょっとユニークな味というか、私とみれちの口に合わないことも多くて、その事を言うと「こんなに美味しいのに!」ってプンプンしてますね。クッキーなんかドッグフードみたいな香りがするんですよ。でもたまにゆい坊のお母さんが作ってくれてる時もあって、そっちはすごく美味しいんです!

王道ってすごく難しい

ーー綾瀬さんの思う、他のアイドルにはない三日月眼の強みって何でしょう?

綾瀬: えー、何だろう?あんまり他のアイドルさんたちと比べてどうこうって考えたことないなあ。でも三人のキャラクターがバラバラなことと、それに反してチームワークはどこよりもいいってことかなあ。それにアイドルとしての王道の可愛らしさは今はむしろ貴重かも知れないですね。王道って実はすごく難しくて、でも天下を取って解散したFool’s Endさんって王道中の王道だったじゃないですか。だからアイドルの天下を継ぐって事で言えば、三日月眼が正統な後継者なんじゃないかなと思ってます。

ーー天下旗争奪戦への意気込みを。

綾瀬: 三日月眼としてデビューした時点では天下旗争奪戦なんてあると思ってなかったんですね。だから割と自然体というか、ステージを見に来てくれているお兄ちゃんたちと一緒に楽しみたいって気持ちでやっていたんですけど、周りの応援のおかげでいつの間にか天下一アイドルを目指すところまで盛り上げていただいたと思ってます。それでデビューした先に天下を取るという夢ができて、それをお兄ちゃん・お姉ちゃんたちとも共有できてるってことがすごく幸せで。私ひとりできることには限界がありますけど、みれちとゆい坊がいれば何でもできるんで(笑)、このままズンズン進んでいつの日か天下旗をお兄ちゃん・お姉ちゃんたちに披露できたらいいなと思ってます!

三日月眼・グループインタビュー

ーー三日月眼は伊達宗人プロデューサーのソロアイドルのオーディションにおいて最終審査に残った3人がそのままグループになったそうですが、オーディション時のお互いの印象はどうでした?

金剛寺: ゆい坊は、みれちのことは前から一方的に知ってたからね。

綾瀬: あー、言ってたよね。

金剛寺: だから印象っていうより、オーディションの控室に入った瞬間に「げ、何でみれちがいるの!」って。

若月: すいませんでしたね(笑)。

綾瀬: ゆい坊がびっくりしてたのは覚えてる。

金剛寺: こりゃマズいぞって(笑)。その時は一人しか受からないと思ってたから軽く絶望したもんね。ただでさえその前にあやふぅと会ってたし。

綾瀬: 会場の前でね。

金剛寺: ゆい坊は地図が苦手だから道に迷ってたんですよ。それであやふぅが声かけてくれて無事辿り着けたという(笑)。

綾瀬: 可愛い子がキョロキョロしてるなー、たぶんオーディションだろうなーって。

金剛寺: もし逆だったらゆい坊はあやふぅに声かけなかったかも。

綾瀬: えー何で?

若月: 可愛い子を少しでも減らす(笑)。

金剛寺: いやいやそうじゃなくて!たぶん自分のことで精一杯で「あの子大丈夫かな」とか人のことまで頭が回らないと思うんですよ。だからあやふぅすごいなって。みれちに気付いて自信無くした時もあやふぅが励ましてくれたからその後開き直って頑張れたし。だからあやふぅに声かけられてなければ、ゆい坊はここにいないかも。

若月: 地図読めなくて良かった(笑)。

金剛寺: 本当に!

ーー若月さんがお二人のことを認識したのは?

若月: あやふぅとゆい坊が会場に来た時、「可愛い子たちがきたな」とは思ってました。

綾瀬: へー。

金剛寺: おー、そーでしょう、そーでしょう(笑)。

若月: 書類と動画の審査を通って、実技の会場に来てたのは50人くらいだったかな?一応それとなく全員をチェックしてみるわけですよ。みんなもちろん可愛いんだけど、あやふぅとゆい坊に関しては単なる可愛さとは違うオーラがあって。

金剛寺: そーでしょう、そーでしょう!

若月: なんか面白そうな子達だなーとは思ってました。

金剛寺: そっかー、オーラ隠せてなかったかー(笑)。まあ仕方ないよねー。

若月: この人うるさいんですけど(笑)。

ーーちなみに書類の応募総数は約5000人だったそうです。

三人 えー!

綾瀬: それ初めて聞きました。

金剛寺: あの時の50人って5000人の中から選ばれてたんだ?倍率何倍?

ーー100倍ですね。

綾瀬: すごーい!

若月: 実際、参加者のレベルはすごく高くて、誰が受かってもおかしくないなと感じてました。それで歌唱審査の時にあやふぅの歌を聞いて、こんな自然体で歌う子いるんだ!って。

綾瀬: そうだった?

若月: やっぱりオーディションって、誰だって良く見せたいとか上手に見せたいとか思って緊張しつつ頑張るわけですよ。でもあやふぅは全然そういった気負いがなくて。

綾瀬: えー緊張してたよー!

若月: 少なくともそうは見えなかった(笑)。

綾瀬: だって歌詞忘れちゃったよ?

若月: そうだっけ?

綾瀬: 私、薬師丸ひろ子さんの『すこしだけ やさしく』を歌ったんですけど、途中でアレッ?ってなって、ラララ~でごまかしたんですよ。

金剛寺: あーそうだったかも。あれ歌詞飛んだんだ?そういう歌詞だと思ってた。

若月: たぶん自然過ぎてミスした印象がない(笑)。

ーー選曲が渋いですね。

綾瀬: 動画配信で80年代の曲を歌うとお兄ちゃんたちが喜んでくれるんですよ。だから80年代の歌謡曲は意外と知ってて。

若月: 歌を聞いて、見た目だけじゃなくて歌声も可愛かったので、これはちょっと手強いなーって。

金剛寺: ゆい坊は?

若月: ゆい坊何歌ったんだっけ?

金剛寺: 『打上花火』。

若月: あーそうだったね。

金剛寺: 覚えてないんじゃん!

若月: 思い出した(笑)。とにかく声が大きかった記憶がある。そんな大声で歌う曲だっけ?って。でも聴いててすごく楽しいというか、場が明るくなる感じで。後で話したら結構苦労人ということが判明したんですけど(笑)、その時はとにかく元気な子だなって。

金剛寺: だからさー、もう開き直ってたんだよ!みれちは超余裕な感じだったけどさ!

若月: そんな訳ないって!

金剛寺: エビの歌歌ってたし。

若月: エビの歌?

金剛寺: 「♪エビでー」って。

若月: 「エビで」じゃないよ、「Every day」だよ。あれ平原綾香さんの『ジュピター』だから。

金剛寺: え?ジュピターってエビのことなの?

綾瀬: エビはたぶん関係ないよ。

金剛寺: そうなの?でも難しそうな曲だった。

綾瀬: 難しいよね。

若月: アップテンポな曲はソロで結構歌ってたから、オーディションではバラード系にしてみようかなと思って。

ーー次のダンス審査に残ったのは何人くらいだったんですか?

綾瀬: 15人くらいだっけ?

若月: そう。きっかり15人だったはず。

金剛寺: ダンスでもみれちはダントツだったよね。

若月: いやいや全然。

綾瀬: 付けられた振りをスイスイ覚えるんですよ。

金剛寺: そうそう。振り付けが進むと最初の方って忘れちゃうんだけど、みれちは完璧なの。

綾瀬: しかもひとつひとつの動きがちゃんとキレイで、一発で決めちゃう。

若月: 慣れだよ。二人だって最近は振り入れすごく早いじゃん。

金剛寺: でもゆい坊はオーディションの時はまだ人前で踊ったことなんかほとんどなかったから、ついてくのがやっとって言うか、全然ついていけてなかった。

若月: そんなことなかったよ。すごく一所懸命なのが伝わって、想いのこもったダンスをする子だなって思ってた。

金剛寺: 必死だったもんよー。あやふぅはあやふぅで、ニコニコしながらなんだかんだ踊れちゃってたし。

綾瀬: 私踊るとニコニコしちゃうみたいだねー。

若月: あやふぅは歌でもそうだけど、ダンスでどんな振りをつけられてもあやふぅになるというか、ちょっとミスがあってもずっとあやふぅの世界観が壊れないんですよ。それって教えられてできるものじゃなくて天性のものだから、オーディションが進むにつれて「この子で決まりかも」って思ってました。

綾瀬: えー!そうだったの?私は絶対みれちだろうなって思ってた。でもそれで自分が萎縮したらダメだなって思って頑張ってたけど。

金剛寺: ゆい坊も!

若月: 歌やダンスって続ければ上達するから、オーディションの時のレベルって実はそんなに重要じゃない気がして。もちろん夢を叶えるためにこんなにレッスンしてきましたって証明にはなるし、私は二人より先にアイドルをやってたから多少はできてたかもしれないけど、これからどう成長していけるかってことの方がずっと大切じゃない?可能性というか新鮮さという点ではあやふぅやゆい坊の方が私より有利だろうなって思ってた。

ーー最終審査にはこの3人が残った訳ですよね?

綾瀬: はい。伊達Pとの面接でした。

金剛寺: もう地獄だった…

綾瀬: え、何で?普通にお話ししただけだったよね?

金剛寺: だってさー、もうそれまで何度も最終審査まで残って落とされるってことの繰り返しだったからさー、どうせまた同じかなーって。ゆい坊はこのオーディションで最後にしようって思ってて、それで一緒に残ったのがあやふぅとみれちだったから、もう無理じゃん!って。みれちはすごくしっかりとしたお話ししてて、あやふぅもめちゃくちゃ面白くて、ゆい坊はちゃんとした話も面白い話もできないからもう帰りたかったよ。

綾瀬: えー?ゆい坊面白かったよねえ?

若月: うん、面白かった。セミの抜け殻集めてる話とか。

金剛寺: (悶絶)うおぉー!

綾瀬: あとなんだっけ?「どういうアイドルを目指したい?」って聞かれてね。

若月: 「売れたいです!」って(笑)

金剛寺: (悶絶)ひぃー!

ーー正直すぎますね(笑)。

金剛寺: だって売れたいじゃないですか!

若月: そりゃそうだけど、もう身も蓋もない(笑)

綾瀬: でも伊達P笑ってたから良かったんじゃないかなあ。

ーーデビューして一年ですが、グループとしての成長というか安定感がすごく増してますね。

金剛寺: それはきっとゆい坊のおかげです。

若月: (笑)

金剛寺: いや本当に、最初はゆい坊ヤバかったと自分で思うもん。

綾瀬: そう?

金剛寺: とにかく必死で訳わからない状態だったからねー。ゆい坊なんかの歌とダンスでお客さんが喜んでくれるのかなって思ってたし。

若月: 喜んでくれたでしょ?

金剛寺: そうなの!喜んでくれたの!だから少しずつ「これでいいんだ」って思えて。

若月: 私も最初は3人でのステージングに慣れてなかったんですけど、回を重ねるごとにしっくりくるようになってきて、今はすごく楽しんでやれてます。

綾瀬: 私も!

金剛寺: えー、でもあやふぅは最初からずっとあやふぅだよ!

綾瀬: え?

若月: 初ステージから落ち着きが変わらない。

綾瀬: そう?最初はびっくりしたよ。ライブってお兄ちゃんたちの声がすごく大きいんだなって。

若月: そうそう。PAの音と客席の声援が半々くらいのボリュームだよね。そういうのってDVDとかで見ても伝わらなくて、現場で初めてその迫力がわかるっていう。

綾瀬: でもそれが怖いとかは全然なくて、みんな三日月眼を待っててくれたんだなって。お兄ちゃんたちの声に乗せられてやってる感じ。あとトークタイムの時、合間に声かけてくれるじゃない?

金剛寺: (野太い声で)「あやふぅ世界一可愛いよ!」とかね。

若月: あやふぅが「世界一」で、ゆい坊は「地上一」(笑)。

綾瀬: みれちが「地球一」だよね。

金剛寺: 「世界一」と「地球一」はいいけどさー、ゆい坊的には「地上一」はちょっと納得いってない。

綾瀬: なんで?

金剛寺: 地上では一番かもしれないけど地中とか海にはまだ上がいるってことじゃん。

綾瀬: え、モグラとかイルカとか?

若月: モグラがライバルなの?

金剛寺: うーん、ゆくゆくは倒さないといけない日が来るね。

綾瀬: イルカは?

金剛寺: イルカかあ。イルカ可愛いからなあ。勝てないかもなあ。

綾瀬: 勝とうよ!ゆい坊なら勝てるよイルカに!

金剛寺: え?う、うん、頑張る。

ーー天下旗争奪戦のさ中ですが、三日月眼の勝機はどこにあると考えてますか?

若月: 3人って決して多い人数ではないんですけど、Fool’s Endさんは2人で天下を取ったし、それは言い訳にならないと思うんですね。だから、積極的に相手のステージに乗り込んでいって対バンしてみたいですね。

綾瀬: あー、対バン楽しいよねー。楽屋も賑やかだし!

若月: それで、どんどん相手のファンを取り込んでいければいいかなって。

金剛寺: 3人だと動きやすいしね!

若月: そうそう。これが6人とか7人とか、さらに十何人ってなるとなかなか動きづらいんですけど、3人なら大抵のステージに立てる。だからいろんなステージに積極的にお邪魔したいなと。正直なところ対バンさえさせてもらえばどこにも負ける気はしないので。

綾瀬: えー、そんなー、仲良くやろうよー!

若月: あやふぅはね(笑)。あやふぅはコミュ力お化けだから対バン相手ともすぐ仲良くなるんですよ。

金剛寺: それで油断させて(笑)。

若月: いざ本番のステージで相手のファンをごっそりお兄ちゃん化させてしまう。

金剛寺: アイドルの子でもあやふぅファンかなり多いしね。

綾瀬: だってみんな仲良くやれた方が楽しいよ?

若月: まあね。なので外交面はあやふぅにお任せで。

金剛寺: ゆい坊はね、密かにダンスリーダーの座を狙ってるよ。

若月: え?まさかの内輪揉め?

綾瀬: お家騒動だ!

金剛寺: いやいやまあ、それくらいの気持ちでやってるよってこと。ダンスってやればやるだけ上手くなるから、今かなり楽しいの。

若月: モグラやイルカの前に私が倒されるんだ(笑)。